日本酒の味や香りは熟成によってもたらされたものです。熟成中に日本酒中に生成される成分は約 200種類と言われています。主な成分である水、アルコール、グルコースを除くと、コクを付けるペプチドやグリセリン、酸味のコハク酸や乳酸、旨味のグル タミン酸を中心とするアミノ酸類などいずれもごく微量ですがこれらが日本酒の味、香り、色を構成しています。

調味料調味料としての日本酒の最大の特徴は、素材を生かしながら旨味をプラスするところにあります。魚の加熱に日本酒を使うのも、魚や肉の臭みを抜くとともに、日本酒の旨味成分を素材にしみ込ませる目的があるからです。煮切り酒という手法も酢の物などの酸味を和らげ、素材の味を生かすことのできる方法です。

日本酒に含まれるアルコールには、魚の臭みの成分であるトリメチルアミンを蒸発させる働きがあります。また、醤油や味噌といった他の調味料と一体となっ て、文字通り『香味一体』の関係が生まれます。さらに、アルコールは肉や魚などの組織を軟化し、一方でたんぱく質の変質を促進して熱凝固を早めるため、軟 らかく、しかも歯ごたえのいい食感が生まれます。

日本酒には、同時に使う調味料の調味効果を最大限に発揮させるという働きもあります。これはアルコールの作用によって、他の調味料が肉や魚の身の中に浸透しやすくなるためです。

(利用例)

  • コメを炊くとき、米3合に対して大さじ1~2杯ほどの日本酒を入れると、艶やかにふっくらと炊き上がります。
  • 冷凍ごはんをレンジで温める際も、ごく少量の日本酒を加えると、匂いを緩和することができます。
  • インスタントラーメンに少量の日本酒を加えると、油臭さが緩和しさっぱりと食べられます。また日本酒の旨み成分でスープの味がマイルドになります。
  • 江戸時代の伝統的な調味料として煎り酒(いりざけ)があります。日本酒、梅干し、かつお節、昆布などを使って自分で作ってみてはいかがでしょうか。