梅雨時に欠かせない情報源となる天気予報が初めて発表されたのは、1884(明治17)年の6月でした。その第一報は、「全国一般風の向きは定まりなし、天気は変り易し、ただし雨天がち」という、かなり曖昧なものでした。

夏越酒その頃に比べると、現在の予報は遥かに進歩していますが、“雨天がち”な毎日には変わりないこの季節。夏越しの酒は、そんな梅雨の悪霊や、半年の汚れを流すみそぎの酒として、古くから毎年6月の晦日には神社で参詣人に茅(ちがや)というイネ科の植物で作った輪をくぐらせ、邪神をはらう神事が行われていました。

この時期、農村では田植えが終わりひと息ついた頃で、夏越しの酒には、暑い夏を乗り越えるための祈りのようなものも込められていま した。田畑では、いっしょに働いた牛や馬にもみそぎをさせてお酒を飲むのどかな光景が見られたとか。お酒を飲むことが日常となり、夏でも比較的過ごしやすくなった昨今ではあまり見られない、情緒ある風景ですね。

毎年6月30日は、気持ちだけでも夏越しへの祈りを込めて飲んでみてはいかがでしょう?ひんやりとしたその味が、格別なものに感じられるかもしれません。